抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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世界の食品市場における最近の価格引き上げは,国の食糧自給率下落および国内農業部門の減少を長く心配してきた多くの日本人の食糧安全保障の懸念を一新した。本論文はまず,世界食品市場における混乱についてレビューし,アジアの新興国における食品需要の高まりや低レベルの世界食糧備蓄のどちらも主原因ではなく,EUおよびUSにより行われたバイオ燃料政策と,それに関連する石油ブームが,世界食糧価格へ最も顕著に影響することを示した。次に,中国,インドおよびASEAN諸国における食品状況および政策を調べることにより,本稿は,主食消費の低下および食肉需要の緩慢な増加により,予想されたような,穀類需要の高まりはなかったことから,これらの国々が世界食糧安全保障を脅かすことはないとした。収入の増加を考慮すると,これらの国はむしろ,高価値の農産品の巨大市場参入の可能性が示唆された。日本の農業は,小規模農家および農業の労働力の急速な老齢化に悩まされており,これらのニューリッチな隣国が示す機会を逃さないほうが良い。安全で上質な製品,並びにアグロツーリズムの輸出が最も確実な領域である。(翻訳著者抄録)