抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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マンゴー’リペンス’には,スレキズや小裂果がシミ状に黒変したような黒キズ障害が収穫期に発生する問題がある.本障害の対策技術を開発するため,ナシやリンゴの類似症状の対策で利用されるギ酸カルシウムを用いて,黒キズ障害に対する効果を検討した.圃場試験の結果,ギ酸カルシウム散布区で無処理区より黒キズ障害の発生率が低く,2017年にはギ酸カルシウム散布区2.1%,無処理区33.4%の発生率,2018年にはギ酸カルシウム散布区8.0%,無処理区37.5%の発生率であった.果実品質には試験区による差がなく,ギ酸カルシウム散布による品質への影響は確認されなかった.ギ酸カルシウム散布区の果実硬度と果皮硬度は,有意に高い値を示した.また,果皮ペクチン含量を分析したところ,ギ酸カルシウム散布区でカルシウムなどのイオンと結合した不溶性ペクチン含量が有意に高く,抽出液中のカルシウムイオン含量も多いことが確認された.以上のことから,’リペンス’に対してギ酸カルシウムを散布すると,細胞壁に存在するペクチン酸等と結合した不溶性ペクチンが生成され,果皮硬度の強化が図られることにより,黒キズ障害の対策に効果があると考えられた.(著者抄録)