研課題
J-GLOBAL ID:202104002961481624
研究課題コード:12101264
アダマンタン誘導体のシード化合物の探索とアルツハイマー病創薬開発
実施期間:2012 - 2013
実施機関 (1件):
研究責任者:
(
, 大学院薬学研究科 薬理学分野, 講師 )
研究概要:
アルツハイマー病治療薬であるmemantineはアダマンタン誘導体の代表例である。本研究では、次の2つの大きな研究課題を設けた。(1)memantineによる認知機能改善効果の詳細な細胞内機序の解明、(2)アダマンタン骨格を有する誘導体47種類の中より、認知機能改善効果の有益な化合物の探索、である。本研究の結果として、(1)memantineをアルツハイマー病発症モデルマウスであるAPP23マウスに慢性投与した結果、APP23マウスに認められる認知機能障害(APP23マウスは12ヶ月齢)の有意な改善効果を行動薬理学的解析により見出した。(2)memantineによる認知機能の改善効果は、NMDA受容体阻害作用による細胞内カルシウムの抑制効果ではなく、カリウムチャネルの阻害作用による細胞膜の脱分極化の促進を介した細胞内カルシウムの流入促進により、カルシウム/カルモデュリン依存性プロテインキナーゼII(CaMKII)の自己リン酸化の促進効果によることが電気生理学解析により明らかになった。以上の発見により、memantineによる認知機能改善効果は、これまで考えられてきたNMDA受容体阻害作用ではなく、カリウムチャネルの阻害作用によることが明らかとなり、今後のアルツハイマー病の新しい治療ターゲットを提唱することができる(論文投稿準備中)。2つ目の研究課題であるが、現在、47種類のアダマンタン誘導体を用いて、カリウムチャネルの過剰発現細胞(N2A Cell)を用いて、カルシウムイメージング法によるカルシウム増強効果のある化合物の健闘中であり、詳細な結果は明らかになっていない。新規アダマンタン誘導体の中には、カルシウムレベルを亢進する化合物も見出されており、今後、更にスクリーニングを行い、memantineより強力なカリウムチャネルの阻害作用を有する化合物を同定する予定である。
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