研課題
J-GLOBAL ID:202104003005372406  研究課題コード:11104606

強発光性有機ナノ粒子の創製と光デバイスへの応用に向けての探索研究

実施期間:2011 - 2012
実施機関 (1件):
研究責任者: ( , 大学院物質理学研究科, 准教授 )
研究概要:
本研究責任者は、イオン性の機能性有機物と、それとは反対の電荷を持つ疎水的な対イオンを水中で混合するだけで有機ナノ粒子が作製できる手法(「イオン会合法」)を開発し、この手法を光デバイスへの応用が可能な強発光性有機ナノ粒子の作製に展開した。その開発目標を (i) 大きさ50nm以下の凝集のない、発光量子収量Φf > 0.8を持つ有機ナノ粒子の作製と発光メカニズムの解明、(ii) 8ヶ月間の発光の安定性・経時変化の評価、(iii) 赤色(波長600-800nm)強発光の達成、と定めて研究を遂行し、下記に示す成果によってほぼ目標を達成する事ができた。(a) 淡青色の発光を示すチアシアニン色素(TC)ナノ粒子の作製に取り組み、発光量子収量Φfが0.76-0.88であるナノ粒子の作製に成功した。そのナノ粒子のサイズはおよそ20nmであった。更に、その強発光の原因はイオン対形成によるTCの分子内回転抑制効果と、発光性分子会合体(H会合体)形成による「協同効果」である事を明らかにした。(b) TCとエチジウム(ETD)色素の2種類が混合されたナノ粒子を作製し、TCからのエネルギー移動を巧みに利用して対イオン濃度を変えるだけで「赤-オレンジ-黄色」に発光するナノ粒子の作製に成功した。(c) 緑色発光するカルボシアニン色素を検討し、その発光収量の増大化に成功した。以上により、「RGB」発光性ナノ粒子全てが揃った事になる。またこの系は光退色に対して著しい耐性を示した。今後、本研究は生体系プローブとして注目されている近赤外発光性ナノ粒子の作製へと展開していく予定である。
研究制度:
研究所管機関:
国立研究開発法人科学技術振興機構

前のページに戻る