研課題
J-GLOBAL ID:202104005358305128  研究課題コード:16657130

季節~10年規模の地域間連関が気候予測の改善へ向けて持つ潜在的可能性」(InterDec)

体系的課題番号:JPMJBF1601
実施期間:2016 - 2019
実施機関 (1件):
研究代表者: ( , 先端科学技術研究センター, 教授 )
DOI: https://doi.org/10.52926/JPMJBF1601
研究概要:
本課題の研究は,北極域,中緯度域,熱帯域間の季節〜十年規模の気候変動の連関について,そのメカニズムと予測精度向上への寄与を調査し,地域的な気候変動をもたらす大気・海洋の遠隔影響過程の理解を深める事が主目的で,3つの要素から成る.第1は,季節内〜経年変動の予測可能性に関わる大気を通じた遠隔影響過程と,そこでの大西洋・太平洋の緯度帯別の大気海洋相互作用や対流圏・成層圏の結合変動,熱帯季節内変動が果たす役割の探求である.これには,毎日観測された海面水温・海氷分布を特定の海域のみ与えた複数の大気大循環モデルによるアンサンブル再現実験を利用する.第2は,海洋の変動が絡む数年〜数十年規模気候変動とその地域連関の解明に向け,IPCC評価報告書に用いられた気候再現実験や,大気海洋結合モデルにて特定の海域のみ海上風を観測変動に保持する「ペースメーカー実験」を活用する.第3は,上記の結果に基づき,社会的影響の大きい各地の気候変動や極端異常気象の予測可能性を評価し,その制約要因の特定を目指す.対象は,近年の急激な北極域の海氷減少の影響や,アフリカ・アジアモンスーンの変動,ユーラシア大陸上の異常高温・低温などである.ここでは各国の予報センターで実施されたアンサンブル予報再現実験の結果を活用する. 緊密な国際連携に基づく本課題の包括的研究において,ドイツ・英国・中国・日本の各チームが行う複数気候モデルによる良く練られたアンサンブル実験は重要な研究手段であるが,予算の効果的使用のため既存の数値実験データも活用する.本国際コンソーシアムには欧州・大西洋域,太平洋・東アジア域,北極域や熱帯域の気候変動や温暖化,季節〜十年規模の予測可能性の専門家を集め,成果の的確な社会発信を行い,欧州内の研究機関と東アジアとの協力を効果的に行う.また,課題会合を他の国際学会に合わせる,ネット会議を活用するなどしてCO2削減にも貢献する.本課題の対象は,農業や社会インフラを危機に晒し,森林火災の発生や健康リスクを増大させる各地域の気候変動や極端異常気象であり,その地域的発生に影響する十年規模気候変動の予測精度向上は,人口密集域の防災・減災対策や温暖化への緩和戦略の改善に大いに役立つし,気候サービス産業や「フューチャー・アース」に絡む諸活動とも密接な関連を有するため,ステークホルダーとの緊密な交流が重視される.
タイトルに関連する用語 (6件):
タイトルに関連する用語
J-GLOBALで独自に切り出した研究課題タイトルの用語をもとにしたキーワードです
研究制度:
上位研究課題: 気候予測可能性と地域間連関
研究所管機関:
国立研究開発法人科学技術振興機構

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