研課題
J-GLOBAL ID:202104006038506822
研究課題コード:10102614
狭心症治療薬(SNP)の被ばく時緊急救急処置薬への実証研究
実施期間:2010 - 2010
実施機関 (1件):
研究責任者:
(
, 高エネルギー医学研究センター, 准教授 )
研究概要:
平成21年度シーズ発掘試験研究において、X線被ばくに対する実用可能な放射線防護剤の開発を行い、狭心症治療薬ニトロプルシドナトリウム(SNP)に、造血系および免疫系の回復促進による放射線障害の防護および治癒作用があり、放射線障害を起こしたマウスの生存率を上昇させる効能があることを明らかにした。 本提案では、SNPのX線以外の放射線(仮称 放射線Y)による放射線障害に対する防護および治癒作用の詳細な解析を行い、被ばく時の緊急救急処置薬として実用化へ向けた実証研究の実施を目的とした。 放射線Yによる放射線障害はX線によるものとは相当異なり、当初実験条件の設定に時間を要し、SNPの放射線Yによる放射線障害に対する防護および治癒作用を十分に明らかにすることはできなかった。しかしながら研究期間の延長により、さらに実験の実施が可能となり、以下の結果を得た。 放射線YをICRマウスに全身照射した。照射のみの対照群では、照射後数日で急激な個体死が観察され、放射線Yの被ばくによる腸死による個体死が示唆された。その後も個体死が観察され、全ての個体が死亡した。一方、SNPを投与した群では、照射後数日で腸死による個体死が観察されたが、その後個体死の発生率が緩和し、照射後30日まで相当数が生存した。これは放射線Yによる放射線障害に対するSNPの防護効果を示している。
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