研課題
J-GLOBAL ID:202104008472818096
研究課題コード:08004749
時空間秩序
実施期間:2005 - 2010
実施機関 (1件):
研究代表者:
(
, 大学院理学研究科, 教授 )
研究概要:
生命体では、多種多様な分子が自律的に集合することにより、形態形成や自己修復あるいは心臓拍動や概日リズムなどの時空間秩序を自発的に作り出しています。このような生命システムの特質に迫るためには、要素還元論的なアプローチだけではなく、生命の動的構造や機能を実空間上でモデル化するといった方法論による研究が必須となっています。 本研究では、ナノメータ・スケールでの“自己組織化の原理”と、より大きなスケールで重要となる“非線形のシステム論”とを統合することにより、階層縦断的なモデルを設計し、生命の動的機能を再現する実験系を構築しました。 本研究はフランスのエコール・ノルマル・シュペリオールと共同で進められ、1)単一高分子鎖からナノ秩序構造体の自己組織化の手法の確立:(日)長鎖DNAの高次構造転移と遺伝子機能の自己制御の実空間モデルの創生、(仏)合成荷電高分子の単一分子テクノロジーを展開、2)生体の動的機能の実空間モデルの構築:(日)化学エネルギーに駆動される運動系や、自律的リズムの創生(仏)ボトムアップ手法によりナノからミクロの秩序の生成をそれぞれ分担しました。 本研究は、学問の境界領域を超えて、生命現象の本質に迫るとともに、ボトムアップ的アプローチにより、自律的機能を有する時空間システムを人工的に創出するための、基盤的な科学的手法の確立を目指しています。そこで得られる科学の普遍的な理解は、バイオテクノロジー、単分子工学、自律ロボット、スマート物質、遺伝子制御など様々な分野に、新たな設計指針を与えるものと期待されます。
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