研課題
J-GLOBAL ID:202104012668058917
研究課題コード:7700008091
低圧含浸法による高品位金属基複合材料の最適プロセス設計
実施期間:2006 - 2006
実施機関 (1件):
研究代表者:
(
, 大学院工学研究科, 教授 )
研究概要:
「新規性・独創性」:軽合金複合材料は、軽さを維持したままで強度や剛性、耐熱性、耐磨耗性などの優れた材料特性を付与できる。従来は、高品位複合材料を製造するために、強化材であるセラミックプリフォーム(多孔体)に高圧で軽金属溶湯を含浸させる「高圧鋳造法」が用いられていた。しかしながら、加圧機構と型締機構を有した大型の鋳造設備が必要であり、製品のコストアップにつながる、複雑形状の複合材料を作製することが難しいなどの欠点を有する。その為、軽合金基複合材料の応用範囲は少ない。近年、自発浸透法が開発され、実用化されるに至った。これを契機に低圧含浸プロセスの開発が盛んに行われるようになった。この手法は、大型で複雑形状を有する複合材料の製造が可能になる。また、重力鋳造などの汎用鋳造設備で複合材料の製造が可能となる。しかしながら、現在の自発浸透法は、プリフォーム表面の反応を利用する為、製造時間が長く、大量生産には適していない。そこで、反応を伴わない手法で、汎用の鋳造装置で製造可能な低圧含浸手法を用い、優れた性質と高い生産性を有する複合材料の製造プロセスの開発を行う。「実施内容とその目標」:高機能、高信頼性の金属基複合材料をダイカスト法や重力鋳造法、砂型鋳造法で製造するために必要な最適プロセス設計の手法を得ることを目的とし、高い生産性と従来にない優れた材料機能を両立するための複合材料製造の要素技術確立を目指す。具体的には、?プリフォーム中に低圧で溶湯を含浸させる手法の提案。?プリフォームに溶湯を低圧で含浸させ、凝固するまでの挙動を成形のモデリングと数値シミュレーションによる予測。実際の鋳造による湯流れとの比較、一致。?実際の鋳造・凝固プロセスにおいて機械的性質に影響を与える気孔の形成と湯流れ、凝固との関連を理論および実験により明確化。以上より、気孔のない最適化された組織を有する複合材料の製造条件を学理的に明らかにし、実用化、事業化に向けた最適プロセスの提案を行う。「実用化の可能性」:十分に緻密な複合材料を得にくいのが低圧含浸法の欠点である。本研究では、含浸最適条件を明らかにするシミュレーションを構築し、実際の製品ごとの最適プロセス条件を見出す。特に、凝固が湯流れに与える影響を明らかにする必要がある。申請者は、鋳造の凝固現象については理論的な取り扱いに熟知しており、実用化の可能性は高い。
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