研課題
J-GLOBAL ID:202104013857807650  研究課題コード:15653676

先進ナノ酸化物の創製と構造・電気化学特性の関係解明による次世代蓄電デバイスの開発

実施期間:2015 - 2018
実施機関 (1件):
研究代表者: ( , 電子工学研究所, 教授 )
研究概要:
本研究ではLiあるいはNaイオンを電荷担体とする高性能二次電池の開発のために、主に原料合成時に制御できる結晶構造欠陥や歪が電池特性に与える影響について先進の分析機器を用いて解析し、その結果から導き出される理想的なマクロ及びナノ構造を高度でユニークな材料プロセッシングにより実現し、高性能二次電池の開発基盤の構築に繋げることを目的とする。 具体的には、工業的に非常に重要な固体反応プロセスと分子レベルで前駆体の設計が可能な液相法を組み合わせた固-液反応法と結晶構造を考慮した前駆体設計から構築される最適反応プロセスを低温で実現可能なメカノケミカル反応を適宜選択することで、目的とする高性能固体電解質やカソードあるいはアノード材料を900°C以下の低温で合成する高度な材料プロセッシングを実現する。高性能LiあるいはNaイオン全固体型二次電池の開発用固体電解質としてはLi7La3Zr2O12(LLZO)を用いる。これは、このガーネット型化合物が固体電解質として最もイオン導電性が高い上に骨格構造が安定しており、結晶歪みや欠陥の導入による種々のモディフィケーションによってさらなる高イオン導電性が望めることなどから、全固体型酸化物二次電池用の固体電解質として最も適していると考えられるからである。一方、酸化物電極としてはチタン酸リチウムや各種ケイ酸リチウムを用いるが、これらは安定で高い電圧の印加が望めるが導電性に問題があるため、原料ナノ粒子の表面を液相法で化学修飾し、表面近傍すなわち結晶粒子界面に仮焼あるいは焼結プロセス中に均一にナノカーボンが分散される様な分子設計を試みる。この様な前駆体の分子設計とメカノケミカルプロセスの最適化により、低温で緻密な全固体型酸化物二次電池の構築を目指す。 これらのプロセスの最適化には、設計通りのナノ構造が実現されているかどうかを確認する必要がある。すなわち、ナノレベルあるいは分子レベルでの構造解析とイオン導電性やトータルの電池特性の解析による界面の最適化が不可欠である。研究グループには、この様な電池特性の解析を専門とする研究グループと構造解析を専門とする研究グループ及び材料プロセスと構造解析を専門とする日本側グループとで構成され、研究目的の達成にふさわしいグループ構成となっている。
研究制度:
上位研究課題: 先端材料
研究所管機関:
国立研究開発法人科学技術振興機構
報告書等:

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