抄録/ポイント：
抄録/ポイント
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クオラムセンシング(QS)は,小拡散性シグナル伝達分子により仲介される細胞密度依存性,細胞間通信システムである。QSは,生物膜形成,毒性,薬剤耐性機構および抗生物質耐性を含む細菌挙動の範囲を調節する。シグナル伝達分子を分解できる酵素はQS-a過程に干渉し,クオラムクエンチング(QQ)と呼ばれる。注目すべきことに,以前の研究は,QSにおける酵素的干渉が緑膿菌に対する抗生物質と相乗的であるいくつかの事例を報告した。併用療法の前提は多剤耐性細菌と戦うのに魅力的であるが,包括的な研究は不足している。ここでは,P.aeruginosaの抗生物質耐性プロファイルに対するQSシグナル破壊の影響を,222の抗生物質と15の異なるクラスからの抗菌化合物の試験により評価した。QSシグナル破壊が実際には抗生物質耐性(全試験化合物の40%,89/222)に影響するという説得力のある証拠を見出したが,常に相乗的に(効果のある化合物の48%(43/89))は相乗的ではなかった。スルファチアゾール及びトリメトプリムのような幾つかの試験抗生物質に対して,QSシグナル破壊による耐性の変化を葉酸生合成経路の鍵遺伝子の発現の調節に関連付けることができた。更に,P.aeruginosaに基づくCaenorhabditis elegansの殺傷モデルを用い,酵素QQがin vivoで緑膿菌の病原性に対する抗生物質の影響を調節することを確認した。まとめると,これらの結果は,シグナル破壊がP.aeruginosaの抗生物質耐性プロファイルに深く複雑な影響を及ぼすことを示す。この研究は,QQと抗生物質を含む併用療法が,世界的には,むしろ,症例ごとの研究で議論すべきではないことを示す。細菌クオラムセンシング(QS)におけるIMPORTANCE干渉は微生物挙動を制御する有望な方法である。特に興味深いのは,抗生物質耐性株のバイオフィルムと病原性を減少するこの戦略の可能性である。興味深いことに,いくつかの研究はQSにおける抗生物質処理と干渉の間の相乗的相互作用を報告している。しかし,これが一般的であるかどうかは,観察された相乗効果の根底にある分子機構であるかどうかは不明である。ここでは,モデル生物,日和見ヒト病原体P.aeruginosaにおける組合せ処理の包括的記述を提供した。>200の抗菌剤のスクリーニングとQSシグナルと破壊戦略との組み合わせで,C.elegans感染モデルにおいて,in vitroとin vivoでこれらのアプローチ間に系統的相乗効果がないことを示す。まとめると,本研究はQSがP.aeruginosaの抗生物質耐性プロファイルに複雑な結合を持ち,組合せ処理が包括的に議論すべきではないことを示す。【JST・京大機械翻訳】
