抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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アセトアミノフェン(APAP)誘発肝障害(AILI)は,西洋諸国における薬物誘発性肝不全に対する重要な寄与者として認識されているが,その分子機構はよく理解されていない。遺伝子発現Omnibus(GEO)データベースを用いたデータマイニング後,増殖分化因子15(GDF15)の遺伝子発現はマウス肝臓におけるAPAP誘導肝毒性後に有意に増加した。しかし,AILIにおけるGDF15の正確な役割はまだ明らかにされていない。この問題に対処するために,APAP処理後のGDF15の時間的遺伝子発現パターンを初めて調べた。次に,アデノ随伴ウイルス血清型8(AAV8)を用いた肝臓GDF15の過剰発現を用いて,AILIにおけるGDF15の役割を調べた。さらに,組換えヒトGDF15(rhGDF15)の治療投与を行い,APAP過剰投与後の治療効果を調べた。GDF15の蛋白質発現はAPAP過剰投与後に有意に増加した。しかし,GDF15の過剰発現または補給後のAILI関連転帰に有意差はなかった。血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)とアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の含有量,肝臓の形態学的特徴,グルタチオン(GSH)の還元型のレベル,c-Jun-N末端キナーゼ(JNK)の活性化,酸化ストレスと細胞増殖に関連する遺伝子の発現は,AAV8-GFPとAAV8-Gdf15群の間で著しく変化しなかった。肝臓障害はrhGDF15投与により改善されなかったが,Nrf2シグナル伝達経路の下流に機能するグルタミン酸-システインリガーゼ修飾サブユニット(Gclm)とグルタミン酸-システインリガーゼ触媒サブユニット(Gclc)の遺伝子発現レベルは有意に増加した。まとめると,APAP過量後の顕著な上昇発現にもかかわらず,GDF15過剰発現または補給はAILIに対して有意な改善効果を示さなかった。GDF15によるGclmとGclcの上昇の更なるメカニズムと結果は,解明されていない。【JST・京大機械翻訳】