抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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難燃処理木材に発生する潮解について,木材中の難燃薬剤の水蒸気圧と空気中の水蒸気圧の関係から,その発生条件を明確にすべく,2種類の難燃薬剤(リン酸アンモニウム・ホウ酸系,リン酸グアニジン系)とその処理材を用いて検証を行った。その結果,飽和塩法を用いた難燃薬剤の水蒸気圧の検証では,リン酸アンモニウム・ホウ酸系は相対湿度70%以上,リン酸グアニジン系は相対湿度90%以上の環境で潮解が発生する可能性が高いと判断された。また実際に各難燃処理木材を温度一定で,相対湿度を段階的に60~95%まで上げた環境に暴露したところ,リン酸アンモニウム・ホウ酸系は相対湿度70%で,リン酸グアニジン系は相対湿度95%で潮解が確認された。更に,空気中の水蒸気量を示す絶対湿度の影響を考慮し,各難燃処理木材を相対湿度一定(65%)で,温度を段階的に28~44°Cまで上げた環境に暴露したところ,いずれの条件でも吸湿による試験片の重量増加や潮解の発生は認められなかった。以上の結果から,これら2種の難燃処理木材における潮解の発生条件には差があり,その絶対湿度(水蒸気量)ではなく相対湿度(水蒸気圧)が顕著に影響することが明らかとなった。(著者抄録)