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J-GLOBAL ID:202202215253164463   整理番号:22A0937923

サプレッサーtRNAのAAV送達によってマウスのナンセンス変異が克服される

AAV-delivered suppressor tRNA overcomes a nonsense mutation in mice
著者 (22件):
資料名:
巻: 604  号: 7905  ページ: 343-348  発行年: 2022年04月14日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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遺伝子治療は,現在治療できない多くの疾患を治癒させる方法になる可能性があり,in vivoでの適用に最も成功している遺伝子送達媒体は,組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)である。しかし,rAAVを用いる遺伝子治療には,積み荷DNAのサイズの限界や,導入遺伝子の非生理的発現による毒性など,いくつかの制限がある。今回我々は,サプレッサーtRNAのrAAV送達(rAAV.sup-tRNA)によって,ナンセンス変異を持つマウスモデルの遺伝性疾患が安全かつ効率的に救済され,この効果が単回投与後6か月以上持続したことを示す。これは機構的には,未成熟終止コドンの読み飛ばしと,ナンセンス変異を介したmRNA分解の阻害の相乗効果によって達成された。リボソームプロファイリングから,rAAV.sup-tRNAが通常の終止コドンの全体的な読み飛ばしに及ぼす影響は限定的であることが,また,tRNA塩基配列解読から,rAAV.sup-tRNAは内因性tRNAの恒常性を妨げないことが明らかになった。AAVキャプシドと投与経路を最適化することにより,肝臓,心臓,骨格筋,脳など,さまざまな標的組織での治療効果が達成された。この研究は,未成熟終止コドンに作用するナンセンスサプレッサーtRNAのAAV送達(AAV-NoSTOP)というツールボックスの開発によって,内因性調節の下で,病原性ナンセンス変異の救済と遺伝子機能の回復が実現可能であることを実証している。ナンセンス変異は病原性変異の11%を占めるため,AAV-NoSTOPは多くの患者に有益な可能性がある。完全長タンパク質をコードする遺伝子は,rAAVのパッケージング限界を超えたり,有害な免疫応答を誘導したり,導入遺伝子に関連する毒性を引き起こしたりする可能性があるが,AAV-NoSTOPを使えば,このような遺伝子を送達する必要がなくなる。従って,AAV-NoSTOPは遺伝子治療に加える価値のある手法である。Copyright Nature Japan KK 2022
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分類 (3件):
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遺伝子発現  ,  分子構造  ,  遺伝子操作 
タイトルに関連する用語 (5件):
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