抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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COVID-19パンデミック下における認知症の行動・心理症状(BPSD)の発生状況や,治療・対応方法を明らかにするために,コロナ禍で公表されたBPSDに関するシステマティック・レビューを系統的に調査した。データベース(PubMed,The Cochrane Database of Systematic Reviews)に2021年11月までに登録された,認知症や,BPSD,COVID-19に関連するキーワードを含む文献(48件)を精査し,5件の研究が分析対象となった。分析の結果,パンデミック下において,1)BPSDの悪化または新規発症がみられる,2)その中でも,長期の隔離によるアパシー,不安,興奮が多い,3)対応としては,本人と介護者への心理教育的・心理社会的介入の有効性が期待されるが,コロナ禍という現実的な制約によって薬物療法への依存が強まっている,4)遠隔支援,アシスティブ・テクノロジーの活用などの効果については結論が出ていない,ということがわかった。今後,研究が十分に蓄積された際には,研究の質の評価や,メタ・アナリシスを行い,さらに詳細かつ正確な知見を得る必要がある。(著者抄録)