抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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出生の年と季節が同じ人々の生存率を経年的に追跡して,出生時の季節が人々の寿命に影響するかどうかを調査した。65歳から95歳に至るまで,暖候期(特に夏)に生れた人々は生存率が高く,寒候期(特に秋)に生れた人々は低いことが見出された。すなわち出生時の寒冷環境の影響が高齢になっても残ることが明らかになった。新生児は寒さに対する適応力が弱いことが知られている。新生児が寒さに曝されると,血管が収縮して組織の低酸素症や低酸素血症を誘発し,代謝性アシドーシスに至る。この血液の酸性化傾向が新生児の体重増加率の減少,すなわち臓器の発育不全の原因となると推察される。秋生まれの新生児は外気温が急激に降下し続ける時期に生れ,発育する。しかし室内の暖房や着衣による保温のタイミングが遅れると寒さに曝され続けることになる。秋生れの人々の寿命が他の季節生れの人々より短いのはこのことが原因であると推察される。(著者抄録)