抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ロボットによる自動清掃や狭所での救助など,ロボットの自律稼働には,センシングによる周辺環境地図の推定と自己位置の推定が必要である.周辺環境推定と自己位置推定を同時に行うSLAMは,これらのアプリケーションを実行するために必要不可欠となる.SLAM手法の中でも,観測情報をグラフ化したデータを用いたSLAMバックエンド処理を行うアルゴリズムが,Graph-Based SLAMである.Graph-Based SLAMは観測データの蓄積を用いる完全SLAMに分類され,直近の観測データのみを用いて行うオンラインSLAMに比べて高い精度で推定姿勢と周辺環境を推定可能だが,環境規模と観測時間の増大に従って計算時間が極めて大きくなる点が問題となる.SLAMのバックエンド処理を効率良く行うためにMECの利用が考えられる.MECはエッジ端末とクラウドの中間的な計算環境として,エッジ端末の高負荷な計算を代替するものである.MEC用に設計されたZynqボード「M-KUBOS」は,価格対性能比に優れたFPGAボードであり,ソフトウェアプラットフォームPYNQとGTHシリアルリンクを用いることでFPGAクラスタを構成することが可能である.本研究ではM-KUBOS上にGraph-Based SLAMを実装し,ソフトウェア実装と比較しての費用対効果の向上と電力効率の増加を目指す.Vivado HLSで作成したGraph-Based SLAMのIPを,Vivadoを用いて配置配線することで,M-KUBOSボードのプログラマブルロジック上に実装した場合と,ホストCPUのソフトウェアとして実行した場合について,実行時間と電力の比較を行った.その結果,本実装ではホストCPUに対して10.05倍の高速化が達成された.また,消費エネルギーにおいては,ホストCPUの7.45倍の効率を達成できた.(著者抄録)