抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿では,宮城県東松島市に設置された石巻青果花き地方卸売市場の卸売業者である株式会社石巻青果を事例として,市場移転の経緯や新市場における施設整備,さらには集分荷の現状と市場機能の高度化などについて検討を行った。同社が入場する市場は1973年に石巻市が設置した公設市場であったが,施設の老朽化やコールドチェーンに対応するため移転再整備が検討されることになった。移転に当たっては,当初計画では引き続き公設市場が予定されていたが,石巻市と協議を重ねる中で民設へと運営方法を転換した上で,2010年1月から新市場での営業が開始されている。また,移転の1年後には東日本大震災が発生しているが,新市場は地震や津波による直接的な被害が少なかったこともあって地震直後から営業が行われ,地域における生鮮食品の供給拠点として機能していた。新たな市場施設では卸売場などを外気と遮断しながら空調管理を行うことにより,鮮度維持や品質管理が高度化されている。それと同時に,市場のターミナル化を図ることで場内物流の合理化などが実現されていた。また,市場の移転以前の段階から仲卸制度の導入や関連業者が設立されるなど,市場における各種機能の強化がもたらされていた。同社のこのような取り組みは,市場利用者であるJAやスーパーから高く評価されていた。(著者抄録)