抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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自動配送ロボットによる配送サービスの設計には多様な選択肢がある.我々は,特に自律移動を伴う新たなモビリティのサービス設計の評価として,これまで道路設計や鉄道の設計で用いられてきた費用便益の評価に加えて,人ごみを通過する量や交通量が多い道路を横断する頻度など安全性に関わる評価も加えた安全性,経済性,利便性の評価指標の同時評価を行う手法を研究してきた.安全性の評価のため,ミクロ交通系シミュレータを短い時間粒度で動作させ衝突の危険性を評価すると計算時間が増える.モビリティサービスの決定要因としては,サービス提供領域の広さ,投入台数,カバーする配送需要の量等パラメータの数が多く,組み合わせの数が爆発するため最適解の探索には計算時間が膨大となる問題がある.安全性,経済性,利便性の評価指標の変化を同時に把握しながら,シミュレータとその利用者が対話的に操作しながら最適解を探索する方法を示す.シミュレーションを数回のバッチ単位で分割して実施し,バッチ単位で算出されたパレート最適解を安全性,経済性,利便性の指標の空間に可視化しユーザに示す.ユーザがバッチ単位のパレート最適解の中から最も良いと考える解を選択する操作を繰り返すことで,短時間で納得・説明しやすい最適解に達することができる.また,ユーザが探索の方向性を自由に選び,探索空間を閲覧しながら探索できるため最適解の選択理由を含め説明しやすい利点のみならず,安全性の指標の悪化に関して示す機構があるため,安全性の指標が悪化するシナリオの原因も探りやすい利点がある.本手法を神奈川県の特定地区での配送サービスの評価に適用し,複数ユーザで試用評価し,有用性を確認した.(著者抄録)