抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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厚生労働省により住宅等室内における空気中濃度指針値の策定が検討されている2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート(TMB)および2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジイソブチレート(TDB)への住民の曝露量を把握することを目的として,今回,TMBの主要な尿中代謝物を検索し,TMBおよびTDBの尿中代謝物の分析方法を確立した。TMBを腹腔内投与(300mg/kg)したラットの尿中より,これまでに知られているTDBの尿中代謝物と同じ2種の代謝物(2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールおよび3-ヒドロキシ-2,2,4-トリメチル吉草酸)が検出された。これらの代謝物を酵素で加水分解したのち尿中よりトルエンで抽出し,トリメチルシリル化した後ガスクロマトグラフィー/質量分析により定量した。各代謝物の検量線の直線性は良好であり,尿中濃度300μg/L以下の代謝物を正確かつ再現性よく定量することが可能であることが示唆された(検出下限濃度:0.2-0.3μg/L)。また,採取した尿試料は,一ヶ月間冷凍庫で保存が可能であった。著者から一週間連続的に採取した尿試料に本法を適用したところ,両代謝物の尿中濃度の間に有意な相関性が見られた。本法は,TMBおよびTDBの曝露のモニタリング手法として,今後の調査や研究に有用であると考えられた。(著者抄録)