抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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富山県で生産している優良無花粉スギ「立山森の輝き」の実生苗は,メンデルの遺伝の法則により約50%の頻度で有花粉の苗が混ざるため,出荷前にジベレリン処理をして強制的に着花させ,無花粉の苗を選抜している。その際に,シベレリンの影響で苗が徒長して大苗になる傾向があるため,得苗率の低下が課題になっている。そこで本研究では苗高70cm以上の規格外になった実生苗の梢端部分(20cm程度)をマルチキャビティコンテナに直挿しすることによって,無花粉のさし木苗を効率的に生産する方法について調査した。11月に規格外になった2年生のコンテナ実生苗200個体を根元から切断し,その穂を翌年の2月下旬までポリポットに入れて,ガラス室で保育したところ,約98%を健全な状態で越冬させることができた。その後,顕微鏡を用いて花粉の有無を確認した結果,花粉がない103本の穂が得られた。これらの梢端をココピート主体の培土に挿し付けしたところ,その発根率は100%だった。同年5月下旬に追肥を行った結果,10月下旬には約80%の苗が出荷可能な大きさになった。このことから,本手法は規格外になった無花粉スギの実生苗を簡便にコンテナさし木苗に転換することができるため,生産効率の向上を図るには有望であると考えられた。(著者抄録)