抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
再生可能エネルギーを使用したCu電極ベースの電気化学的CO
2還元は,CO
2をメタン,エチレン,エタノールなどの有用な化合物に変換するための有望な方法である。酸化物由来Cuとしてのヘテロ原子ドープおよび/または誘導Cuを,高い選択性を有する安定な触媒の開発に関連して研究されてきたが,ヘテロ原子の役割はまだ十分に理解されていない。ヘテロ原子が触媒の部分として作用するか,あるいは触媒の再構成を単純に誘導するかどうかは知られていない。本研究は,電解質または空気に由来するヘテロ原子汚染の存在を区別できるメタンチオール単分子層(MT-Cu)で修飾した,Cu電極による電極触媒CO
2還元におけるヘテロ原子の役割の調査である。Ag/AgClでの-1.8VでのMT-Cu電極を用いたCO
2の制御された電位電解は,未改質多結晶Cu電極(bare Cu)よりもC
2生成物に対して大きな選択性を示す。他方,硫黄修飾Cu(S-Cu)電極は,主にCO
2還元生成物としてギ酸塩を生成する。機構の調査において,in situ減衰全反射表面増強赤外吸収分光法(in situ ATR-SEIRAS)を強力な表面分析装置として用いている。また,走査電子顕微鏡(SEM)とX線分光法(XPS)も調査に用いている。分光学的データは,Cu表面上のCu
+の再構成と形成が,メタンチオール単分子層の電気化学的還元によって,-1.4V対Ag/AgClよりも負の電位で生じることを示す。DFT計算も電気的バイアスと水性電解質の実験条件に近い条件下で行なっている。結果は,粗面がC
2生成物の生成に好ましいことを示唆する。さらに,Cu
+部分はC
2生成物の生成を促進し,ドープしたヘテロ原子が電気化学CO
2還元において決定的な役割を果たすことを示す。(翻訳著者抄録)