抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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「イタリアンライグラス中間母本農3号(以下,「農3号」)」は「タチムシャ」等の既存品種や農研機構畜産研究部門育成系統から幼苗および成植物における硝酸態窒素濃度等に基づく表現型循環選抜を5回おこなって育成された二倍体早生品種で,2011年に品種登録された.出穂期の硝酸態窒素濃度は「優春」より30%以上低い.出穂始日は「はたあおば」とほぼ同日である.収量性は「優春」や「はたあおば」と同程度である.「農3号」と既存品種との単交配後代の硝酸態窒素濃度は,両親のほぼ中間の値を示し,「農3号」との交配により硝酸態窒素濃度が低い品種・系統を効率的に育成できる.「農3号」と選抜第1世代の幼苗を水耕栽培し,体内の窒素動態を比較した.「農3号」では導管を介して根部から地上部へ輸送される硝酸態窒素量が減少する一方,アミノ酸態窒素量が増加した.また,根における硝酸態窒素の取り込み量は変わらなかった.さらに切断地上部を培養液に浸して根部の影響を除外した場合でも,「農3号」の硝酸態窒素濃度は低かった.これらのことから「農3号」における低硝酸化機構は,地上部へ輸送される硝酸態窒素量の減少と,地上部の硝酸態窒素の蓄積能力の低下と考えられた.(著者抄録)