抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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スマート契約は,信頼できる第三者なしで条件が満たされたときに,電子契約を含むトランザクションを自動的に実行することができるプロトコルである。代表的な使用事例では,複数の当事者達がブロックチェーン資産を公正に取引するときにスマート契約が実行される。ブロックチェーンシステムでは,スマート契約はシステム参加者として見なされ,受信情報に応答し,値を受信・保存し,情報と値を外部に送信する。また,スマート契約は資産を一時的に保持することができ,常に事前規則に従って操作を実行する。多くの暗号資産はスマート契約を実装している。POST2018でAtzeiらは,ビットコインのスマート契約を使用して,オラクル,エスクロー,中間支払い,時限コミットメント,マイクロペイメントチャネル,公正な宝くじ,条件付き支払いの7つの公正な交換プロトコルを定式化した。しかし,それらはセキュリティに関する非公式な議論をしているだけだった。本論文では,形式的検証ツールProVerifを用いて,それらの7つのプロトコルの公正性を検証した。その結果,5つのプロトコル(オラクル,中間支払い,時限コミットメント,マイクロペイメントチャネル,公正な宝くじプロトコル)が,形式的に証明されていないが公正性を満足していることを示した。また,2つのプロトコル(エスクローと条件付き支払い)の公正性を破る既知の攻撃を再発見した。エスクロープロトコルについて著者らは,仲裁人付きの2パーティ方式と3パーティ方式を定式化し,2パーティ方式は,Atzeiらが示すような公正性を満たさないことを示した。条件付き支払いプロトコルについて著者らは,非対話型ゼロ知識証明(NIZK)付きのプロトコルを形式化し,CCS2017でCampanelliらが示した攻撃を再発見した。また,攻撃に対するサブバージョンNIZKによる対策は,正式に証明されていないが,適切に機能することを示した。(翻訳著者抄録)