抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2019年~2020年に‘あきだわら’の全量基肥施肥栽培において,慣行一発肥料の配合原料である樹脂系被覆肥料(以下,被覆肥料)の10~1.5割をイソブチルアルデヒド縮合尿素肥料(以下,IB肥料)に置き換え,生育収量面から適切な代替割合を明らかにするとともに,Jコートの被膜の崩壊性について検討した.2019年は収量及び収量構成要素,玄米品質はいずれの項目も試験区間に有意差はなかったが,被覆肥料の削減割合が大きいほど1穂籾数が減少する傾向にあった.また,被覆全量削減区で出穂後の葉色が薄く,1穂籾数がやや少なく,精玄米重は最も軽かった.2020年の収量及び収量構成要素,玄米品質も試験区間に有意差はみられなかったが,被覆肥料の削減割合が高い被覆6割削減区で1穂籾数が最も少なく,精玄米重は最も軽かった.これらのことから,安定した生育収量を得るためにはIB肥料への代替割合は6割を超えてはならないと考えられた.また,Jコートは窒素の溶出安定性もLPコートと同等であることから,Jコートへの代替は可能と考えられた.またLPコートと比べ水稲栽培後の被膜の崩壊性が高く,次作以降の代かき時に被膜の浮き上がりが少なくなると考えられることから,IB肥料とJコートを基肥一発肥料の配合原料とすることで,被覆肥料の被膜のうち,海洋に流出する量の減少が期待できる.(著者抄録)