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J-GLOBAL ID：202202286397881206   整理番号：22A1149494

神奈川県内の温泉水のトリチウム濃度と年代

Tritium concentrations and dating of hot spring waters in Kanagawa Prefecture, Japan

著者 (2件)： 板寺一洋 (神奈川県温泉地学研) ,  大山正雄 (日本温泉協)
資料名： 温泉科学  (Journal of the Balneological Society of Japan)
巻： 71  号： 4  ページ： 234-245  発行年： 2022年03月30日 
JST資料番号： F0950A  ISSN： 0030-2821  CODEN： ONKAA  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 1990年代初頭に測定されたトリチウム濃度のデータを用い,神奈川県内の温泉水の滞留時間(または雨水により涵養された時期)を見積もった.滞留時間の見積もりには既往研究による雨水のトリチウム濃度の時系列を入力としたピストン流モデル,完全混合モデルおよび両者を組み合わせたモデルを適用した.その結果,箱根・湯河原の温泉水については,浅層から深度1000mに及ぶ範囲まで0TU付近から数TUまでの様々なトリチウム濃度が得られており,温泉水の滞留時間として数年から50数年,あるいは涵養時期が1960年以前となるといった様々なケースが想定された.このことは,これらの地域が火山地域にあたり,雨水の浸透および地下水の流動が活発であることを反映している可能性が考えられる.一方,それ以外の地域の200m以深では温泉水のトリチウム濃度は概して1TUよりも小さく,どのモデルにおいても地下水の滞留時間は短く見積もっても数十年以上であると推定された.このことは,そうした地域において雨水または雨水が元になった浅層の地下水が深さ数百m以上の大深度温泉を涵養するまでに数十年以上の相当長い時間を要することを示唆している.(著者抄録)

シソーラス用語： 三重水素 ,  濃度 ,  地下水涵養 ,  *温泉水 ,  *滞留時間 ,  浸透 ,  雨水 ,  押出流れ ,  火山 ,  神奈川県 ,  地下水流動 ,  解析モデル ,  絶対年代 ,  *同位体年代測定 ,  深さ
準シソーラス用語： *トリチウム法年代測定 ,  雨水浸透 ,  完全混合流れ ,  大深度 ,  地下深部 ,  *地下水年代 ,  箱根火山 ,  流動モデル

分類 (1件)： 地球化学に関する年代測定  (MC03011P)

引用文献 (25件)：

• 浅井和由・辻村真貴 (2010): トレーサーを用いた若い地下水の年代推定法 火山地域の湧水へのCFCs年代推定法の適用-, 日本水文科学誌, 20(3),67-78.
• 板寺一洋・菊川城司・代田 寧 (2010a): 湯河原温泉の酸素・水素同位体比,神奈川温泉地学研究所報告, 42,63-66.
• 板寺一洋・菊川城司・小田原啓 (2010b): 神奈川県の大深度温泉水の起源, 温泉科学, 59,320-339.
• 板寺一洋・菊川城司・代田 寧 (2012): 神奈川県における大深度の温泉取水層の透水性, 神奈川温泉地学研究所報告, 44,47-53.
• 利部 慎・嶋田 純・島野康雄・樋口 覚・野田尚子 (2011): 阿蘇カルデラ内における地下水の流動機構, 日本水文科学会誌, 41(1),1-17.

タイトルに関連する用語 (4件)： 神奈川 ,  温泉水 ,  トリチウム ,  年代