抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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電波の到来方向推定は,無線通信端末の位置推定などの様々なサービスに用いられている.これまでに多くの推定法が提案されているが,近年では,高精度な推定法として,圧縮センシングを用いた手法が提案されている.圧縮センシングでは,一般に周囲の角度を分割してグリッド化し,到来方向に最も近いグリッドポイントを推定する.しかし,実際の到来波は,このグリッド角に正確に一致することはほとんどなく,グリッドから外れた状態,いわゆるオフグリッドとなる.そのため,グリッド間隔の2分の1の最大誤差が発生する.この問題に対して,筆者らは,圧縮センシングの解法であるFast Iterative Shrinkage-Thresholding Algorithm(FISTA)について初めに設定したグリッドを,分数間隔でずらしてグリッドを逐次設定するグリッドシフトを行うことで,その影響を軽減することを提案している.本稿では,2波が-60°~60°の範囲を一様分布するように到来する場合について,従来手法と提案手法の推定精度を比較した.また,提案手法の精密推定範囲を変更した時の推定精度も比較した.その結果,提案手法は従来手法よりも,SN比が高いときに良い特性を示すことがわかった.(著者抄録)