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J-GLOBAL ID:200903084022379571
マルチエネルギー放射線透過試験方法
Inventor:
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Applicant, Patent owner:
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Gazette classification:公開公報
Application number (International application number):1994340673
Publication number (International publication number):1996178873
Application date: Dec. 21, 1994
Publication date: Jul. 12, 1996
Summary:
【要約】【目的】 X線又はγ線の透過試験方法において、高精度に試料の原子番号又は実効原子番号を求め、簡便かつ信頼性の高い材質の評価を行う。【構成】試料(7)を鉛コリメータ(3)と放射線検出器(4)間に配置する。放射線源(1)から放出されビーム状に絞られた、エネルギーが異なる3種類以上のピークをもつX線又はγ線を放射線検出器(4)により、試料を置いた場合と置かない場合の1対の計測値を3種類以上計測する。この計測値をパソコンに送って演算処理を行い、計数値の中から誤差が設定値より小さい2対以上の計数値を組み合わせたR値(2種類の放射線エネルギーに対する試料の各質量減衰係数の比)を選択する。予め理論的に求めておいたR値と原子番号又は実効原子番号との関係に、計数値から選択したR値を比較することにより、試料の原子番号又は実効原子番号を求める。
Claim (excerpt):
X線又はγ線の透過試験方法において、3種類以上のエネルギーが異なる細い放射線ビームを用いる計測。この条件を満たす放射線源及び放射線測定器を用いて、試料を置かない場合に測定した計数値と、試料を置いた場合に測定した透過放射線の計数値:Nio、Ni(i=1,2,・・L,・・H,・・)のうちから、2種類の放射線エネルギーに対応する計数値を組み合わせた比:次式のR値を算出し、更にこれに対応した原子番号又は実効原子番号を、予め理論計算されたその放射線エネルギーに対応した試料の質量減衰係数の比:μL/μHより求める。【数1】ここで、ρは試料の密度、tは試料の厚さであり、Lはエネルギーの低い方、Hはエネルギーの高い方を表す。μLとμHは既に理論的に得られており、これを基にR値と原子番号又は実効原子番号Zの関係を計算で求めることができる。即ち、R値と原子番号又は実効原子番号Zの関係は、理論的に計算されたR-Z曲線で示される。ここで、試料が単一元素の場合はその原子番号になるが、試料が化合物又は混合物であれば実効原子番号になる。一方、2組の計数値:NLO、NLとNHO、NHから、その密度及び厚さに無関係に、計測によって原子番号又は実効原子番号を求めることができる。計測によって得られたR値を、理論的に計算されたR-Z曲線と比較することにより、計測した試料の原子番号又は実効原子番号Zを求めることができる。この発明のデータ処理は、先ず測定したすべての計数値から1万以上のものを選択し、更に、試料の厚さ、密度及び質量減衰係数の積:μρtが約0.2から2.3になるX線又はγ線のエネルギーを選択するため、μρt=ln(Nio/Ni)より、0.8から0.1になるNi/Nioを選択する。次に、選択されたln(Nio/Ni)から、2種類以上のエネルギーの放射線に対する計測値:ln(NLO/NL)とln(NHO/NH)を組み合わせて、複数のR値を求める。これによって次式で表されるR値の統計誤差:δR/Rが、約5%以下のR値を選別できる。【数2】更に、μρt=ln(No/N)より、それぞれのエネルギーに対する値を、i,j,k・・・とすると、【数3】となる。ここで、μi、μj、μk・・・は、それぞれ求めたZ値から各エネルギーに対応する試料の質量吸収係数である。従って、tの値がほぼ同じであれば得られたR値の誤差は小さく、結果の信頼性が高いことを確認できる。エネルギーの高い方の放射線はそのエネルギーが高過ぎず、エネルギーの低い方の放射線は低過ぎない、2種類以上のエネルギーの放射線を適宜選択することによって、精度良く測定できる試料の原子番号又は実効原子番号の範囲及び試料の厚さの範囲を拡大できる。即ち、3種類以上のエネルギーが異なるX線又はγ線を用いることにより、得られた計数値の中から不適切な計測値を除外し、誤差の小さい計測値のみを選択することにより、信頼性の高い上式のR値が求まる。3種類以上のエネルギーが異なるX線又はγ線を用いる透過試験方法を、マルチエネルギー放射線透過試験方法と名付ける。
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