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J-GLOBAL ID:202104013682293631  Research Project code:7700005277

高温超伝導バルクマグネットを用いた磁気クロマトグラフィーの開発

高温超伝導バルクマグネットを用いた磁気クロマトグラフィーの開発
Study period:2006 - 2006
Organization (1):
Principal investigator: ( , 自然科学系, 助教授 )
Research overview:
近年の超伝導マグネット技術の進歩に伴い,超伝導マグネットによる強磁場を利用した磁気分離の研究は従来から広く研究されてきた。磁気分離とは空間的に勾配のある磁場中で磁性粒子に働く磁気力により,排水中の有害物質や有用物質を分離する技術である。申請者は,平成11~15 年度に日本学術振興会の未来開拓学術研究推進事業プロジェクト「強磁場下における物質と生体の挙動- 強磁場下の磁気分離による環境改善と資源循環利用-(プロジェクトリーダ:渡辺恒雄現首都大学東京・教授)」に参画し,新規の磁気分離装置の研究開発を行った。その研究成果を発展させて,強磁場環境の応用として単なる粒子の分離のみならず,空間勾配のある強磁場中に細管チャネルを配置してその中に磁性や大きさの異なる複数の磁性粒子が懸濁した流体を流し,細管中に発生する流速分布と磁気力を利用して磁性や粒子径の応じた進行速度差生じさせて,特定の磁性粒子を分離・精製する新規の磁気クロマトグラフィーを考案し,これまで数値解析を中心に研究を行ってきた。このアイデアによれば,磁場の空間配位や細管の直径をコントロールすることにより,理論的にはナノオーダからミクロンオーダの常磁性粒子まで広範囲にハンドリングできる。これまでは,空間勾配の大きい強磁場を発生する方法として複合超伝導マグネットを用いることを検討していたが,マグネットが高価になりすぎ実現性に乏しい。近年,大直径の高性能高温超伝導バルクが開発され,比較的安価に入手が可能になった。強磁場に着磁した高温超伝導バルク周辺の磁場は空間的に大きな勾配を有するので,これを用いれば安価で簡便な構造の磁気クロマトグラフィーが実現できると考えられる。本研究では,高温超伝導バルクを用いた磁気クロマトグラフィーについて,まず数値解析により磁性粒子の分離特性を系統的に整理する。数値解析結果に基づき,直径50nm/磁化率10-2 程度の常磁性粒子を選択分離できるモデル実験装置を作り,所望の特性が得られるかどうかを検証する。よって,装置の実用化に向けた課題を抽出し,その解決法を明らかにする。
Research program:
Organization with control over the research:
Japan Science and Technology Agency

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