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J-GLOBAL ID:202104020929999660
Research Project code:16815532
熊本地震による阿蘇火山性堆積土の大変形挙動に起因する被害メカニズムの解明
熊本地震による阿蘇火山性堆積土の大変形挙動に起因する被害メカニズムの解明
Study period:2016 - 2016
Organization (1):
Principal investigator:
(
, 生産技術研究所, 准教授 )
Research overview:
申請者らは、地震直後から5月初旬までに4回の現場調査を行い、これまでに日本学術会議や土木学会での報告会、およびメディアを通じて多くの情報を発信してきた。本地震では地盤の大変形挙動による災害が多く発生したが、上記調査から、阿蘇カルデラの特殊な地形と火山性堆積土の力学・変形特性が、被害を拡大させた要因であることが推察できた。本研究で注目する事例は、カルデラ中央から西部で発生した緩斜面の崩壊と流動、新しい造成宅地の深刻な被害、およびカルデラ西部から北部の延長数kmの帯状の地盤陥没である。いずれも地盤の大変形を伴い、建物、道路の被害、人命の損失が生じた。本研究では申請者らの専門的な経験を生かし、現場調査と室内実験をベースに次に示す調査研究を実施する。1)現場調査では、被災地の空間情報を効率的に収集することが重要である。斜面崩壊の形態、地盤変状の空間的分布と沈下量の定量的な把握は、被害パターン分析にとどまらず、後述の室内試験結果と比較可能である。これら地形判読には、詳細調査にはLiDAR(レーザ計測)を、広範囲の調査にはUAVを利用する。また、表面波探査装置、動的貫入試験機を活用し、地盤の剛性・強度のプロファイリングを面的に行う。複雑な基盤地形を軟弱な火山性堆積土が覆っている研究対象地のような条件では、非常に有用な調査となる。2)室内試験では、被害を拡大させた火山性堆積土の微小〜大変形挙動に至るメカニズムを解明するが、そのために、地盤の保水性・粒子破砕性にも焦点を当てて結果を分析する。ブロックサンプリングによる不攪乱試料や締固め度を変えた再構成試料を用い、基本的な地震時強度特性を三軸試験で把握することで、斜面崩壊や地盤沈下、人口造成地の崩壊「発生」メカニズムの検討を行う。一方、地盤の大変形挙動を室内試験で検討することは非常に困難であるが、本研究では申請者らが開発した大ひずみ中空ねじり試験機、および多層リングせん断試験機を利用した先進的な実験を実施し、崩壊「発生後」の長距離流動メカニズムの解明に役立てる。現場調査と室内試験結果の総合解析を行い、本地震によって生じた地盤変状のメカニズムと被害の全貌を明らかにして、復旧・復興計画に反映させる。また、これら結果は本地震によって傷ついた斜面の降雨時の安定性の評価にも利用できるため、今後の降雨を見据えた斜面の崩壊リスクについても言及する。
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Research program:
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Parent Research Project:
熊本地震
Organization with control over the research:
Japan Science and Technology Agency
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