抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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読書の衰退が心配されている。衰退が心配されつつも,読書は今日なお,その権威自体に疑義を投げかけられることは少ない。しかし,歴史的に見るとき,読書は必ずしも無条件に肯定されてきたわけではない。プラトンは”パイドロス”では,文字の生みの親である技術の神テウトが,「記憶と知恵の秘訣」としての文字の効用を説くのに対して,エジプトに君臨していた王の神タモスは次のように文字の弊害を語っている。「類なき技術の主テウトよ,技術上の事柄を生み出す力を持った人と,生み出された技術がそれを使う人々にどのような害を与え,どのような益をもたらすか判別する力を持った人とは別のものなのだ。今もあなたは,文字の生みの親として,愛情にほだされ,文字が実際に持っている効能と正反対のことを言われた。なぜなら,人々がこの文字というものを学ぶと,記憶力の訓練がなおざりにされるため,その人たちの魂の中には,忘れっぽい性質が植え付けられるから。それは他でもない,彼らは書いたものを信頼してものを思い出すのに,自分以外のものに彫りつけられたしるしによって外から思い出すようになり,自分で自分の力によって内から思い出すことをしないようになるからである」歴史を振返る時,このように読書で得られる知識とは所詮「机上」のものに過ぎず,現実とは乖離している,あるいは現実には役に立たないといった批判は古くから繰り返されてきた。なぜ,読書は勧められてきたのかを改めて問う意味もある。1)プラトンの問いかけ,2)「教養としての読書」という理念,3)文化資本としての読書(ブルデューの問いかけ),4)マルクーハンの憂い,5)電子メディアのもたらすもの,6)読書の明日。