抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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単一電子移動事象の統計的性質は普通の平衡アンサンブル記述の範囲内で正しく予測することができるか?エルゴード挙動というナノワールドにおいては根幹的なこの質問を非常に基本的な半古典曲線交差問題の範囲内で吟味した。Marcus-Levich-Dogonadze(MLD)速度によって良好に記述される非断熱電子移動(弱トンネル効果)の限界においては答えが是であることが示された。しかし,いわゆる溶媒律速断熱電子移動の限界においてはエルゴード性の重大な破れが起った。すなわち,反応座標の初期平衡分布を有するアンサンブル換算密度行列に基づく普通の記述はこの一見古典的領域における単一軌跡事象の統計を再現することができなかった。十分に大きな活性化障壁の場合,ある状態におけるアンサンブル残存確率は断熱曲線交差(Kramers)時間と逆MLD速度との和によって与えられる逆数速度に対してほぼ指数関数型のままであった。これに対して,断熱領域近くで単一電子残存確率は,たとえそれがアンサンブル記述と良好に一致する指数関数的なテールを有しても明らかに非指数関数型であった。最初に,それは部分速度を有するMittag-Leffler分布によって良好に記述された。逆説的ではあるがアンサンブルレベルでは古典的なこの領域の中の平均移動時間は単一粒子レベルにおける非断熱量子トンネル効果速度の逆数によって良好に記述された。確率論的シミュレーションと完全に一致する解析理論を開発し,本研究の知見を説明した。Copyright 2017 Royal Society of Chemistry All Rights reserved. Translated from English into Japanese by JST