抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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現在,産学官が一体となった自動運転技術の開発・実用化推進の体制が整えられており,平成32年頃には完全自動走行の実現を目指している。しかしながら積雪寒冷地での適用には技術的課題が多く,自動ブレーキであっても冬季間の適用は困難であるのが実情である。一方,凍結路面μは路面の表面粗さによって特定し得ることが報告されており,凍結路面の表面粗さ状態が測定できればμの推定が可能となる。本研究は各種雪氷路面における摩擦係数μの定量計測手法確立を目的として取り組んでおり,ある程度の成果をあげている。凍結路面に近赤外線を入射させた場合の反射光の偏光現象を分光計測手法に応用し,乾燥路面および凍結路面の識別,凍結路面の滑りやすさ定量化手法を構築し第一報で報告した。次に,本手法の測定理論の検証と計測精度についての理論的考察,ならびに圧雪路面への適用手法について第二報で報告,さらに単なる湿潤路面と表面に水膜が形成された凍結路面との識別手法の構築について第三報で報告した。本稿では,近赤外偏光分光を用いた雪氷路面μの定量計測手法について紹介する。本研究によって,各種雪氷路面におけるμ定量化の可能性を示すことができたが,本装置を車載した場合,得られるのは車両直下の情報であるため,将来の自動運転に資するためには前方路面に対する予測が必要となる。現在,本手法を画像計測と組み合わせることによる前方路面μのリアルタイム計測の可能性について検討を開始している。