抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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持続可能な社会の追求において,オフィスビルは,エネルギー効率の良い建物のように環境性能を向上させるだけでなく,従業員の健康と知的生産性を向上させるように設計する必要がある。さらに,少子高齢化社会における衰退に起因する労働力の縮小,また働き方改革に起因する限られた労働時間を補うために,個々の生産性の品質を向上させる必要がある。従業員のデザイン選好を考慮したオフィスを設計することは,個々の生産性を高められる可能性がある。従って,本研究では,環境効率決定要因の定量的比較を行い,異なるデザイン選好にわたって生産性に及ぼすそれらの影響を検討した。これは,どのオフィスの環境因子と機能が,オフィスワーカーのデザイン選好タイプ(Fig.1及び2)に基づいて最も適しているかを確認するために行われた。それに基づき,2019年3月(Table1)に2684名に関する調査を完了した。アンケート項目は,現在のオフィス環境を5ポイント尺度(Table.2及び3)で満足度を評価した。データを使用して,構造方程式モデリング(Fig.3及びTable.4)を用いて「環境-知的生産性」モデルを開発した。さらに,多母集団同時分析を行い,異なる選好タイプを比較し,各パス係数に及ぼすそれらの影響を定量化した。パス係数を比較するために,因子負荷は,「集中」,「意欲」および「知的生産性」の観測可能な変数を示す経路を除いて,デザイン選好タイプを通して等値制約された。さらに,差に対する棄却限界比を用いて,群(Table5および6)のパス係数を比較した。共分散構造分析から開発した環境-知的生産性モデルは,環境要因が知的生産性に影響する「知的生産性に関連した行動」と「ストレスと動機」(Fig.3)を通して知的生産性に影響することを明らかにした。デザイン選好タイプに関するモデルは,特有のオフィスデザイン選好がリラックスとコミュニケーションに対する環境要因の影響の程度を変えることを示した。さらに,有意差検定は,これが仕事負荷に対処する際に経験した困難のレベルに影響を及ぼすことをも明らかにした。最終的に,これらの環境決定因子は,様々な程度の(Fig.4)に対する知的生産性に影響した。各タイプのモデルを特徴づける一般的な特徴は次の通りであった。タイプ1とタイプ3のオフィス写真13から得られた選好特性を参照して,共通の特性は,参加者が「G2 保守的」を好み,「G3 遊び心のある」を好まず,一方,「G1 開放的で広々とした」に対する好みは異なった。これらの知見から,タイプ1の人は集中に関連する要因により感受性が高い可能性があるが,タイプ3の人は創造的活動に関連するものに敏感である可能性があることが示唆された。これらの違いは,開放的な環境に対する選好が異なることを説明する。タイプ2とタイプ4の参加者に関しては,G1とG3の両者に対する好みが共通する一方,「G2 保守的-典型的」と「G2 保存的-ブース」に対する好みが異なった。これらの知見から,タイプ2の人は,リラックスできて創造性を得られるオフィス空間を好む傾向がある一方,タイプ4の人は,負荷を減少させる環境を好む傾向があり,そして,それは心の平穏を成就するのを助ける傾向があった。このことは,これら2タイプのオフィスワーカーが,ブース型オフィスに対する異なる選好を持つ理由を説明する。著者らの提案手法を用いて,個人の好みを取り入れた個別のオフィス環境を設計できる。そのオフィス環境に対する従業員の満足を増加させ,また,個人の強みを最適化し,また,従業員間の知的な繋がりを維持することを目的とする。(翻訳著者抄録)