概要 | 近年のAI技術は人工システムやロボットのある種の自律性を可能にし、丁度、親離れした子供のように、設計者が予測できない行動を表出する可能性がある。このような状況に対し、現在の法制度では設計者か利用者が過度の法的責任を負わされる恐れがあるため、健全な科学技術の進展を阻害する可能性がある。 本プロジェクトでは、人工システムの自律性を目的の有無やその書き換え可能性に準じて、三段階を想定し、従来の法人格論の分析を通じてこの三段階に応じた法的取扱モデルを考案する。さらに、既存の責任理論の問題点を指摘し、人工システムに対する新たな制度の提案を行う。また、アンドロイドを用いた模擬裁判を通じ、一般社会になじんだ法整備案を提案し、自律性の概念の深化と未来社会に通用する人工システムとその環境を提示する。
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