概要 | 【解決すべき社会課題・ボトルネック】
高齢化率が40パーセントを超える新潟県佐渡島は、これからの超高齢社会に突入する日本の未来の縮図といえる。「さどひまわりネット」という住民の医療・介護情報を医療介護施設などで共有する先進的なネットワークが稼働しているものの、高齢化が激しい島民一人一人の状態はそれぞれの居住地域や年齢、健康状態など、個々の状況により大きく異なるため、より丁寧な個人別の情報提供が行われないと、享受できるサービスや介護予防対策の範囲に個人差が生じ、健康寿命を早期に失うケースが発生しかねないという課題がある。
【活用する技術シーズと解決するための手法】
佐渡市においてすでに稼働している情報インフラやデータベースを活用し、課題解決を図る。具体的には、健康な状態から疾病や介護の段階までの個人ベースの保健医療情報のデータベースと、個人の生活データを自身で入力・管理する仕組みを連携させ、認知機能や運動機能関連項目の測定に基づいた個人の健康寿命延伸に関するアクションや予測データを本人に提示する総合情報管理・提供プラットフォームを構築する。これにより、個々の行動変容を促すことで、皆が健康な社会を実現する佐渡市モデルを構築する。また、身体的機能の低下が見られるフレイル(虚弱)状態の高齢者は、感染症が重症化しやすい傾向にあり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対して日本老年医学会などが注意喚起をしている。構築されたプラットフォームによりフレイル状態をより早く検知することで、重症化予防も期待される。
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