概要 | 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに対する政府の対応は、人々の生活の隅々にまで影響を及ぼし、多様な倫理的・法制度的・社会的課題(ELSI)を生み出している。本調査では、そのような諸課題に関して、韓国や台湾を中心とする近隣のアジア諸国、また英国を中心とした欧米諸国の対応を、各種データベース等を用いた文献調査によって比較検討する。また、過去の日本の感染症対策についても調査し、COVID-19対応の特徴や課題を明らかにする。以上の調査は、科学的助言を民主的な政策立案に組み込むための制度設計や、科学技術コミュニケーションの望ましいありようを考慮するのに必要な準備作業を提供し、さらには、公衆衛生政策において後回しにされがちな社会的弱者の問題や医療従事者に対する差別の問題等、喫緊の問題への解決策を提案することも可能にするだろう。この調査で得られた成果は、より長期的で大規模な国際共同研究に発展させることを企図している。
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