概要 | 本企画調査では、ここで「技術構成主義」と呼ぶ視座に立ち、技術を通して、我が国における死生観を照射し、そこに顕在する倫理的課題を技術倫理の観点から論じる領野を開拓する。「技術構成主義」は、技術哲学において、技術の側が人の行為に介入することで社会的現実を構成することを分析の対象とする一つの潮流を指す。本プロジェクトでは、工学的、制度的、文化的な「技術」が、「生と死」という現象をどのように構成してきたのかを、超領域的な共同研究を通して明らかにする。そして、急速に発展する技術と共にあるポストコロナの社会における生と死のあり方について、社会の中で広く議論するための理論的及び実践的基盤を構築することを目指す。そのために企画調査においては、事例の分析を通して分析的視座を確立し、フィールドとの関係を築くと共に、能楽と現代美術の協働により、生と死をめぐる社会的議論を啓発するための場の形成を目指す。
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