抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
関連する既往の研究結果を踏まえて,本研究では初期火災時の煙の視覚的影響に着目して煙の発生場所に対する体の向き,パーテイションの高さ,煙発生時に視線を合わせる目標対象物との距離などを変化させ,各々の条件で異変感知に至る時の被験者の視野の状況,周囲の状態を定量的に把握することを目的とした。はじめに,予備実験によりスモークジェネレーターから発生する煙を煙突状の箱から実際の火災に近い状態で実験室内に伝播させ,煙の性状確認,視線による煙層の減光係数の確認などを行なった。次に,異変感知に関する実験を行い,1)煙の発生源に対する体の向き,2)注視点距離,3)パーテイション高さなどを検討し,それらの結果より,5)異変感知時の煙層下端の高さ,6)異変感知時の減光係数などを考察した。これらの実験の結果として,1)では,視野の外側及び内側によって異変感知の状況が異なること,異変感知までの時間は煙の状態により異なることなど,2)では,注視点の距離を変化させても異変感知理由の割合に変化は見られなかったこと,3)では,パーテイションの高さは異変感知に至る割合に影響を及ぼすことなどの知見を得ることができた。また,異変感知時の煙層下端の高さ,減光係数などについても有効な知見を得ることができた。