抄録/ポイント：
抄録/ポイント
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{序}ここ数年,日本の鉄道駅における通路案内サインは,これらの駅の複雑な空間構成と外国からの来訪者の数の増加によって,より多くの注目を集めている。ほとんどの日本の鉄道会社は,政府ガイドラインに基づいてそれら自身のサイン計画を確立している。しかし,鉄道駅の調査によって,著者らはサイン計画に基づく「公式サイン」(図1)とともに,地方駅で駅員が書いた「追設サイン」(図2)を見つけた。著者らの以前のユーザ評価研究は,これらのサインにおける情報量と設計要素に焦点を合わせたオンライン調査を用いて,追設サインのポジティブとネガティブな要因を同定した。本研究では,以前の報告と連続して,設置場所に焦点を合わせたユーザ評価に基づいて,追設サインのポジティブとネガティブな要因を評価した。{方法}追設サインについてのオンラインアンケート調査を,鉄道駅サインに興味を示した3446人の鉄道駅利用者の間で実施した。回答者は,著者らによって選択された9つの評価項目(表1)による,SD法を用いて,5段階(図3)でいくつかの鉄道駅サインを評価した。評価のために用いた画像は著者らによって作成され,駅構内で列車を乗り換える過程で遭遇する様々な場合を表現した。すべての画像は,評価に影響を及ぼす環境因子を防ぐために,線で描かれた。画像は5つの異なる場所を示す:乗降ホーム(図4),乗降ホームからのコンコースまでの昇り階段(図5),乗降ホームからコンコースへの降り階段(図6),コンコース(図7),改札口(図8)である。各評価画像は,3または4ケ所の場所における追設サインを示す。{結果}表4は,ユーザ評価に影響を及ぼすネガティブおよびポジティブ要因をまとめた。1)階層的クラスタ分析に基づく応答傾向の3つのグループ:応答傾向を3つのグループにクラスタ化した:すなわち,眼の高さより上,床,および狭い空間(図14)である。回答者は,グループ「狭い空間」と比較して,「眼の高さより上」のグループをスケール上でより高く評価した。典型的な公式サインは,この「眼の高さより上」の地域に位置している。グループ「床」の評価は中間であった:しかし,高齢者は,このグループを若年回答者(表3)よりわずかに低く評価した。2)魅力に基づく評価傾向:魅力に関する5つの質問(グループA)の中で,「適切な位置」の応答評価,および「そこにあると期待されている」についての評価傾向は同じであった。一方,「歩行中の可読性」とその他の2つの質問は異なる評価傾向(図16)を示した。3)ユーザとサインの間の視野角の影響:ユーザの視線に対して垂直に面しているサインを,平行(図17)のものより高いと評価した。{結論}本研究は,追設サインの位置に関してポジティブおよびネガティブの要因の両方を明らかにした。これらの知見は,追設サインの設定を支援し,鉄道駅のためのサイン計画を改善するために利用できると期待される。(翻訳著者抄録)
