抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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仮想現実(Virtual Reality:VR)空間に接続して臨場感あふれる体験を可能とするコンテンツの広がりとともに,VR映像,すなわち360度映像のネットワーク伝送に対する需要が高まっている.特に,医療やサービスの分野において,360度映像を視聴しながら遠隔で行うロボット制御への適用が期待されている.制御対象と同じ映像をVRヘッドセットを通して視聴することで物体との距離を正確に認識でき,直感的な操作が可能となる.一方で,従来の360度映像伝送では高解像度化に起因する高トラヒック化,制御対象の処理性能に起因する高遅延化によってユーザの体感品質低下をもたらす.トラヒックを削減する既存手法として,各ユーザの視聴情報を元にユーザが視聴する可能性が高い映像領域のみをサーバが符号化・伝送する方法が考えられる.しかしながら,既存手法は制御対象に搭載された複数のカメラが撮影した映像ではなく,複数のカメラ映像をつなぎ合わせ平面に変換した映像を前提としている.制御対象の処理能力はサーバに比べ低いため,処理によって遅延が増加する.提案手法では,カメラで撮影された映像に対してユーザが視聴する可能性の高い領域のみを符号化・伝送することで映像のつなぎ合わせにかかる遅延を削減する.さらに,ユーザの視線情報から得られる統計情報を用いて必要な領域を推定し,領域外の映像情報を削減することでトラヒックを削減する.360度映像および対応するユーザの視線情報を用いた性能評価から,提案手法は同程度の映像トラヒック下において,従来手法に対してより高品質の360度映像をユーザに伝送できることを示した.(著者抄録)