抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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電磁波の散乱問題の有力な解析手法としてモーメント法がある。モーメント法は,積分方程式の近似解法であり,EFIE(電界積分方程式),MFIE(磁界積分方程式),その両方を用いるCFIE(Combined Field Integral Equation)に適用にされる。本稿では,このうちの磁界積分方程式法に現われる同次解問題について議論する。もし,同次解が存在すると,磁界積分方程式の解は唯一に定まらないことになる。磁界積分方程式法では,ファラデーの法則が陽に考慮されないため,孔の空いた構造において同次解の問題が発生する可能性がある。そこで,本稿では,閉じた構造の中で孔の空いた最も単純な構造であるトーラス形状における磁界積分方程式法の問題点について扱った。まず,磁界積分方程式法の軸対称ソルバーの定式化を行い,トーラス形状において正しくない解が得られることを検証した。また,仮想磁流を導入し,E×n=0を導体表面上の1点において課すことによって正しい解が得られることを検証した。さらに,アンテナの解析用フリーウェアであるNEC2でも,同次解問題が発生することを検証し,これが磁界積分方程式法の一般的な問題であることを示唆した。