抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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海洋において二酸化炭素の主な固定者は植物プランクトンであり,年間の炭素固定量は陸上植物とほぼ同じと言われている。特にケイ藻類は細胞がケイ酸からなる殻で覆われているため,体内に取り込んだ二酸化炭素の海底への輸送効率は高い。また,硫化ジメチル(DMS)は,雲核粒子を形成し太陽の放射収支を調節するといわれ注目を集めている。DMSの前駆体であるDMSPは植物プランクトンの種によって含有量が異なることが知られている。このように植物プランクトンはそのグループによって環境への応答や化学物質に対する反応が異なる。したがって植物プランクトングループを同定することは海洋環境や生物地球科学的循環を考える上で必要不可欠な課題である。しかしながら,全球における植物プランクトングループ分布の空間分布や季節変動は未だ解明されたとは言えず,特に極域海洋である南極会では海氷や厳しい自然環境に阻まれ,観測を行うのに多大な労力と費用を必要とし,網羅的に観測を行うことが非常に難しいという問題がある。そこで,近年では広域性,連続性,周期性などのメリットがある衛星リモートセンシングを用いた観測に期待が寄せられている。よって,本研究では光吸収係数や散乱係数などの光学特性を用いて南大洋における植物プランクトングループを推定することを目的とし,将来的な展望として衛星リモートセンシングを用いた植物プランクトングループの推定へとつなげるものである。(著者抄録)