抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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標題に関し,原理,分析・解析手法,及び試料処理過程を含めて詳説した。エナメル質アパタイトは続成作用の影響を受けにくいなど形成時の同位体比を良く保存している。炭素同位体比は陸域のC3植物は-35~-22‰,C4植物は-19~-9‰であるが,植物食哺乳類は食性を反映して食餌より約14‰高い。酸素同位体比はアパタイトに取り込まれた炭酸イオンの酸素同位体比を利用するのが簡便である。酸素同位体比はアパタイトとして固定される際の温度に依存するが,大型哺乳類は体温が一定のため,食餌や飲用水(天水)の同位体比を反映する。葉の同位体比は蒸散作用により高くなる現象があることから,大気湿度の推定に用いられる。現生の生息場の異なる3地点のイノシシおよび同じ生息場のイノシシとカモシカの炭素・酸素同位体比の比較で,生息環境や食性による違いを反映した例を示した。安定同位体比には複数の生態に関する情報が記録されるため,絶滅哺乳類等に適用する場合には,前提条件と分析対象を十分に検討することが重要である。