抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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人によるシステムの利用方法を分析するには,人によるシステムの理解の仕方を知ることが必要であるが,その様子を逐次的に分析することは容易ではない。そこで,本稿では,iFaceと名づけられた,合成顔表情技術を用いたシステム(表出したい目標表情を設定し,それを目指して自身の表情を表出し,評価するプログラムが組み込まれたシステム)に着目し,iFaceの利用者とインストラクタの相互行為を分析し,分析結果より,iFaceというシステムの利用のされ方,そこから導出されたiFaceの特徴,さらにはシステム評価方法について述べた。具体的には,iFaceの主な機能として,表情設定機能(利用者が表出したい表情である目標表情を利用者の1枚の顔写真を用いて合成顔表情技術により作成する機能)と表情確認機能(利用者の現在の表情の状態の把握に向け,設定表情を実際に利用者に表出してもらう表出表情と目標表情との比較結果を提示する機能)について述べた。さらに,iFace利用場面では,利用者がその使い方が分からずに戸惑っていたり,どの表情を選択しようかと悩んだりする言葉が,インストラクタの応答といかに結びついているのかを分析することにより,インストラクタの最初の説明のみでは利用者がシステムの振る舞いを理解できていなかった点,そして,インストラクタの支援により利用者がシステムの振る舞いを理解し,「顔」に注意を向けていく様子が現れ,その繰り返しによって,利用者の注意が焦点化していく様子が見出されることを述べた。