抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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Metabolic Ecologyの中心課題は,個体サイズと呼吸の一般化にある。著者らは,シベリアから熱帯に及ぶ調査地において64種,271個体の芽生えから大木の根を含む個体呼吸と個体重量を実測した。個体重量と呼吸の間には両対数軸で上に凸傾向が見られ,回帰分析により,芽生え側の傾き1と巨木側の傾き3/4の単純べき関数を2本の漸近線とした混合べき関数をモデルとして選択した。植物は同一器官内または成長速度が異なる同一種内で呼吸速度に違いがある。このため,森林全体の呼吸を評価するためには,複数の樹木個体を数多く測定する必要がある。密度効果などの光質,光量をめぐる個体間関係は個体生理学からの研究が不可欠である。森林生態系に常に存在する不均一環境の把握を把握するため,より多い測定個体数を確保することが層別刈取りと比べ有利であると考えられる。樹木個体呼吸の測定は,閉鎖方式を用いた簡単な方法で高い再現性が得られ,樹木の生息環境や状態を実感できる測定値を得ることができる。今後の個体生理学の新たな展開には,重力の影響を含んだ物理化学的制御も考慮した幅広い検討が不可欠であると思われる。