抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
近年,太陽光発電などに次ぐ次世代のエネルギー源として藻類に注目が集まっている。藻類は陸上植物と比べて光合成効率が高く,3倍以上の油脂生産速度を有する(高増殖性,高脂質含有性)。国内では複数のプロジェクトで藻類バイオ燃料の研究開発が進められており,使用される藻類は,淡水性藻類と海洋性藻類に分けることができる。淡水性藻類Euglena gracilisは,増殖速度は生産する脂質がワックスエステルであるため,藻体内のパラミロン含有率を高めるための研究が進められている。海洋性藻類Auranthiochytorium sp.は,増殖速度が速く,炭化水素(スクワレン)生産能も高い。Auranthiochytorium sp.から精製した油を軽油に70%混合したディーゼルオイルを用いてクリーンディーゼル車を走らせる実験に成功した。従来型の藻類を用いた生産プロセスは,CO
2削減効果や生産プロセスにおけるエネルギー投入量はあまり考慮されていない。航空燃料など次世代バイオ燃料の事業化を成功させるためには,全ての工程における要素技術を最適化するとともに,プロセス工学的視点から育種改良技術,製造コスト試算,エネルギー収支,ハンドリング等を考慮して,全体の中のボトルネックを抽出しながら,全体最適化していく必要がある。