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J-GLOBAL ID：201602290340765892   整理番号：16A0915390

新しい多層ディラック電子系EuMnBi₂における磁気秩序と結合した量子伝導現象

著者 (3件)： 酒井英明 (大阪大 大学院理学研究科) ,  増田英俊 (東大 大学院工学系研究科) ,  石渡晋太郎 (東大 大学院工学系研究科)
資料名： 固体物理  (Solid State Physics)
巻： 51  号： 9  ページ： 491-507  発行年： 2016年09月15日 
JST資料番号： F0158B  ISSN： 0454-4544  CODEN： KOTBA2  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： Dirac-Weyl半金属の中で,SrMnBi₂は局在スピンを積極的に活用できる系として注目を集めている。著者らは,磁気構造とDirac電子の結合を強める目的で,磁性Euイオンで置換した新しい多層Dirac電子系磁性体,EuMnBi₂を取り上げた。Bi正方格子のDirac電子状態とEu副格子の反強磁性秩序を詳細に調べ,磁気秩序に強く結合したDirac電子の量子伝導現象を観測することができた。Eu層の反強磁性秩序の外部磁場による制御も検討した。スピンフロップを起こす反強磁性相では電子状態の二次元性が強まり,巨大な量子振動が実現した。EuMnBi₂は多層構造の利点を生かし,Dirac電子に由来する高移動度と巨大磁気抵抗効果の両立が可能になった物質である。しかしながら,Bi正方格子上のDirac電子の量子伝導現象には,20T近傍のヒステリシスを伴う抵抗異常やLandau準位サブバンドの分裂など,未解決の興味深い性質が残されている。今後の課題である。

シソーラス用語： フェルミオン ,  *半金属 ,  *電子 ,  *Dirac方程式 ,  *磁気秩序 ,  *スピン分極 ,  Landau準位 ,  *スピンフロップ ,  *ビスマス合金 ,  ユウロピウム含有合金 ,  マンガン含有合金 ,  金属間化合物 ,  *スピン-軌道相互作用 ,  振動 ,  電子状態 ,  量子Hall効果 ,  巨大磁気抵抗効果 ,  キャリア移動度 ,  層状組織
準シソーラス用語： Weylフェルミオン ,  Diracフェルミオン ,  *Dirac半金属 ,  *Weyl半金属 ,  *Dirac電子 ,  反強磁性秩序 ,  バレー分極 ,  量子振動

分類 (2件)： 金属結晶の電子伝導  (BM03033M) ,  金属結晶の磁性  (BM06040T)

タイトルに関連する用語 (5件)： 多層 ,  ディラック電子 ,  磁気秩序 ,  量子伝導 ,  現象