抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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周期表第14族元素である炭素,ケイ素,ゲルマニウム,スズは半導体特性を示す。スズには結晶構造の異なるα相とβ相が存在し,α相が半導体特性を示す。現在,ケイ素やゲルマニウムは放射線検出器として広く利用されているが,スズは実用化されていない。原子番号をZとすると,光電効果の反応断面積はZ
5に比例することから,スズ半導体検出器が実現できれば高い検出効率をもつガンマ線検出器の作製が可能となる。本研究では,電気分解を用いてスズを含む溶液からα相のスズの結晶を成長させることを試みた。陽極にはスズ線を用い,陰極には銅線とインジウムアンチモンの2種類を選択した。実験の結果,銀色の樹状結晶と黒色の泥状物質が析出した。前者はβ相のスズ,後者はα相のスズと予想される。この泥状物質は陰極にインジウムアンチモンを用い,その縁部分を絶縁テープで覆ったときのみ析出した。陰極上に析出するα相のスズを泥状にならないよう結晶化させ,析出させることができれば,αスズの単結晶を作製できる可能性があることが分かった。(著者抄録)