抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,計算機環境や機械学習理論の発展により,音認識の研究が進歩している.音声・楽音認識の技術はスマートスピーカーなどの様々な製品の基盤技術として用いられている.また,スマートデバイスの普及やセンサの小型化に伴い,ウェアラブルデバイスを用いた環境音認識の研究が盛んにおこなわれている.環境音認識とは録音されたサウンドクリップに対応する環境音クラスを分類結果として出力するタスクであり,主に(1)環境音収集,(2)音響特徴量抽出,(3)環境音分類の3つのプロセスで構成される.(2)のプロセスでは高いサンプリング周波数で得られたサウンドクリップを周波数解析処理するため,消費電力が最も大きい.ウェアラブルデバイスを用いた環境音認識では,バッテリによる駆動時間を延伸するため,このプロセスの消費電力を削減することが重要である.そこで,本研究では消費電力の大きい周波数解析処理を必要としない環境音認識手法を提案する.提案手法では,ある特定の周波数(共振周波数)に反応を示す低消費電力な音波センサに着目する.異なる共振周波数を持つ音波センサを組み合わせたセンサアレイを用いることで,環境音の様々な周波数成分に関する情報を得ることができる.そのため,周波数解析処理をおこなわずとも,少ない消費電力で環境音の認識が可能である.提案手法で用いるセンサアレイは低消費電力な音波センサと単純な電子回路で構成されるため消費電力が小さい.音波センサは共振周波数付近の音を受けたとき,圧電効果によって微小な電圧を発生させるが,この反応を特徴量として用いるために必要となる回路は消費電力が少ない増幅回路とコンパレータ回路のみである.本研究では,市販の超音波センサを改造することで様々な共振周波数をもつ音波センサを製作し,実環境にて環境音分類実験をおこない,その認識性能を評価した.(著者抄録)