抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高い磁気異方性(K
u)を持っL1
0-FePt系合金薄膜は,高密度磁気記録媒体への応用に向けて積極的な研究開発が行われている。次世代の記録媒体応用では,10nm以下の極薄薄膜を対象に結晶配向,規則度,膜平坦性を制御することが必要となる。この材料は,不規則構造(A1相)から規則構造(L1
0相)への相変態を伴い,高K
u特性実現ではK1
0相の高規則度を実現する必要があり,高温熱処理(600°C程度)が必要である。本研究では,上記条件を満たす薄膜形成法を明らかにすることを目的に,(001)方位単結晶基板を用いた薄膜エピタキシャル成長技術を活用してA1からL1
0相への相変態の過程を高分解能透過電子顕微鏡で詳細に調べた。この結果,(1)A1-FePt(001)膜では基板との格子不整合によって結晶格子が面内方向に拡張し歪んでいること,(2)面内歪が保たれた状態で規則化させることでc軸を垂直方向に持つL1
0-FePt(001)結晶を形成できること,(3)膜凝集により膜内歪分布が変化するとc軸を面内方向に持つL1
0-FePt(100),(010)結晶が混在すること,(4)表面エネルギーの大きな基板を用いるとc軸が垂直方向に制御された表面平滑性の良い極薄のL1
0-FePt(001)膜が得られること,などが明らかになった。(著者抄録)